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宮守遥綺の癒し小説講座 ~文章の透明感~

 

 

【宮守遥綺の癒し小説講座 ~文章の透明感~】

 

本日お話しますのは、『文章の透明感』はどのように出すか、ということです。

 

私の場合は、

①1枚膜を隔てたような書き方

②短縮言葉や話し言葉を地の文に入れない

③細い川が流れるように、文章を流す

ことを意識しています。

 

 

 

1枚膜を隔てたような書き方

 

1枚膜を隔てる、というのは、『直接的すぎる表現を避ける』ということです。

例えば、春風について書くなら、「春風が吹く」が直接的な表現です。

これを違う表現に置き換える、ということです。

 

私の場合、「まだ冷たさを孕んだ風」と表現したり、

「冬の気配を残した風」と表現したりします。

 

比喩表現が大切です。

 

しかし、比喩表現を使うからと言って、文章を飾りすぎて、こってりさせすぎてはいけません。

ラーメンはラーメンでも、塩ラーメンに留めてください。

豚骨ラーメンに透明感はありません(´・×・`)

 

形容詞盛り盛りにしてしまうと、こってり感が増してしまう事が多いので、要注意です。

 

 

短縮言葉や話し言葉を地の文に入れない

 

短縮言葉や話し言葉を地の文に入れない理由は、

どうしてもこれらを地の文に入れてしまうと、『俗っぽさ』と言いますか、

世の中の汚れた空気のようなものを取り込んでしまう気がするからです。

 

――文章の綺麗さ、ですね

その通りです!

私は、透明感とは、言わば清流だと思っております。

 

――でも、現実のことを書くならいれるのはありじゃないでしょうか? 現実というか社会というかそういうもの

現実社会を描くにしても、どのように描くかによると思います。

短縮言葉や話し言葉を入れてしまうと、どうしても直接的に表現することが多くなってしまいます。

汚いものをただ汚い、と表現するのか。

それとも、その汚さに深みを与え、柔らかく表現するのか。

私は、その違いだと思っています。

 

 

なるべく柔らかに、誰の心にもするりと入っていけるように。

柔らかく、さらりと流れるように。

それが、透明感を増すために必要な意識かな、と思います。

 

 

細い川が流れるように、文章を流す

 

これについては、一つ一つの文章というよりは、全体の流れです。

普段の読書から意識するといいと思うのですが、

「文章同士が喧嘩していないか」ということです。

 

リズム、は前に大切にしていることでお話しましたが、これがまさにそれです。

文章の間のリズムを崩さないような表現をする、ということ。

 

――韻をふむことも大事ですか?

韻を踏むことが大切な場合も勿論あります。

例えば、疾走感のある場面などは、韻を踏んだ方がより雰囲気が出るかな、と思います。

 

初めの一文を書く時。

その瞬間には、自分の中にある程度の場面のリズムが浮かんでいると思います。

ゆったりなのか、速いのか。

穏やかなのか、ギスギスしているのか。

それに合わせて文章を繋いでいくことが大切だと思います。

 

例えば、ゆったりしている場面であれば、あまり場面自体を大きく進め過ぎず、細かな部分まで描写を入れる、等があるかな、と思います。

 

逆に疾走感のある場面ならば、周囲の描写(景色描写)等を少なめに、動きを最大限。

そして、短い文章で繋いでいく、というのも手かもしれません。

短い文章、と書きましたが、私の場合は名詞だけ、ということもあります。

 

とにかく、その場面のリズムを崩さないよう、文章の書き方を統一することかな、と思います。

 

まとめ

 

文章の透明感は、

①1枚膜を隔てたような書き方

②短縮言葉や話し言葉を地の文に入れない

③細い川が流れるように、文章を流す

を意識する。

 

 

 

 

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